HbA1cとは

HbA1cとは、赤血球中のタンパクであるヘモグロビン(Hb)に糖分がどのくらい結合しているかを調べる検査で、過去1-2ヶ月の平均的な血糖値の高さを知ることができる指標です。血糖値そのものは時々刻々変化をし、一度の検査では全体像を捉えるのが意外に難しいのに比べ、HbA1c値は直前の食事の影響などを受けず、比較的容易に平均的な血糖値の高さがわかります。

直前の食事の影響を受けないという特性により、いつでも正確な値を測定可能で、この点も気軽なスクリーニング検査に適しています。

正常範囲はNGSP値(国際標準値)の場合、概ね5.5%以下くらいで、厚生労働省の国民健康・栄養調査では6.0%以上を「糖尿病予備群」、6.5%以上を「糖尿病が強く疑われる」としています。

新・糖尿病診断基準(2010年改定)

2010年7月1日施行の日本糖尿病学会の新・糖尿病診断基準で「糖尿病型」の判定に「HbA1c(NGSP値)≧6.5%」という項目が加わりました。また、血糖値とHbA1c値がともに糖尿病型であれば、1回の検査で糖尿病と診断可能になりました。下図は新糖尿病診断基準の診断フローチャートです: